#076 李朝のものづくり
韓国の李朝(李氏朝鮮)時代に儒教の教えに基づき、質素かつ簡素を重んじる考えが広まりました。その象徴として白色が好まれ、白磁が発展したといわれています。その特長を表現する丸い壷は「月壷」と呼ばれ、ふくよかで大らかなかたちとしっとりとした肌合いは、李朝白磁の代表とされています。Found MUJI韓国では、当時の特長的なかたちと風合いを現代に継承し、韓国で採れる土と釉薬を使用してつくられた様々な器をご紹介しております。
ものを大切にして質素な生活を送るという儒教の教えは、器だけなく、布工芸にも大きな影響を与えました。女性達は衣服や寝具を仕立てる際、小さな端切れも無駄にせず、縫い合わせてポジャギ(風呂敷)をつくりました。今回は、ポジャギによく使われる麻布、モシを使ったテーブルファブリックをご用意しております。モシはイラクサ科の植物を原料にした繊維で、繊細な織りと透明感が特長です。30~32cm前後の幅で織られるので、今回の商品もなるべく生地を無駄にしないサイズで仕立てています。また、Found MUJI青山限定で、モシの生地売りを行っております。
同じく李朝時代につくられるようになったといわれている真鍮の匙。韓国では食事の際、器を置いて食べることが正式なマナーであり、器を持たずとも食事を口に運ぶことができる「スッカラ」と呼ばれる匙が使われてきました。素材に金属製が多いのは、古くから戦乱が絶えない土地であったため丈夫さが求められた、または銀製のものは毒物に反応するので身を守るために使われた、など様々な説があります。今回ご紹介する真鍮の匙は、当時の製法のように、ひとつずつ丁寧に鎚で打ち出してつくられています。
現代まで息づく李朝のものづくりを、是非お手に取ってご覧下さい。