#088 仙台の松川だるま
仙台の「本郷だるま屋」を初めて訪問したのは、東日本大震災の爪痕が生々しく残る2011年7月のことでした。「松川だるま」は古くから仙台の人々に親しまれてきました。顔のまわりを空と海の色を表す群青色と金粉でふちどり、おなかには福の神や宝船が描かれた伊達なだるまです。江戸時代から続くだるまづくりを受け継ぐ本郷さんご夫妻も震災の際は停電や断水、屋根の破損などの被害を受けました。普段から通りに面した工房を開け放って制作し、前を通る人々とはあいさつを交わすのが習慣だったことから、震災後も近隣の住民と声をかけあい助け合って災害を乗り越えたそうです。転んでも起き上がるだるまを復興の象徴として求める声も多く、さまざまな物事が「だるまさん」のご縁でよい方へ運んだと涙ながらに話してくださいました。
最初から目が入っているのも松川だるまの特徴のひとつ。最後の仕上げに目をいれるのは男性の仕事です。ギョロリとにらみをきかせた目で無病息災家内安全を四方八方見守ります。
開催店舗:有楽町/池袋西武/難波/MUJIキャナルシティ博多/テラスモール湘南/Found MUJI 青山