#189 ブロックプリント

デリーから一時間ほどの距離にあるラジャスタン州の首都ジャイプールは、ピンクの建物に囲まれた歴史の古い街。パレスをモチーフにした模様が建物のあちこちに見られ、一帯はピンクシティと呼ばれています。

その近郊で長年つくられてきた木版のプリント。大きく広げた生地に隙間なく版を押していく。防染と捺染のミックス。ブロックプリントはこの作業を何百回と繰り返し、生まれる布地です。
インドから始まったこの技法は、ヨーロッパ、アジアへ渡り世界各地へ広がりました。各地で形を変え発展したプリント技法ですが、インドでは原型を留めたまま昔ながらの手仕事が引き継がれています。

静かなアトリエには、真っ新な生地にスタンプを始める緊張感が漂い、毎日何百メートルもの生地が人の手によって生まれています。