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#013 赤城山の弥治郎こけし
晩秋に訪れた赤城山は、東京より一足早く冬の始まりを迎えていました。
こけしは東北地方を代表する郷土玩具で約十系統あります。
その内の一系統である弥次郎こけしの工人、佐藤さん一家は現在群馬県の赤城山に工房を構えています。
佐藤さん一家は、代々福島県いわき市にてこけしや木地玩具を作ってきましたが、昨年の東日本大震災により転居を余儀なくされ、今は知人の山荘を借り、ろくろを持ち込んでこけし作りを続けていらっしゃいます。
佐藤家に受け継がれる70点の小さなこけしの見本型も、赤城山の引き出しの中で仲良く眠っていました。頭にベレー帽のようなろくろ模様、ほんのりピンクのほっぺたの無垢な笑顔を見ていると、とても心が穏やかになります。
厳しい状況の中でも、いつも笑顔で迎えてくださる佐藤さん。こけしの表情にもその人なりが現れているようです。
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福島県 弥治郎(やじろう)こけし 税込 1,890 円