#020 小鹿田焼の土
小鹿田焼の陶土は、村の中を縫うように流れる小川の水流を利用して細かく挽かれ粘土になります。
唐臼(からうす)とよばれる木の杵は、ししおどしの要領で水がたまると大きく傾き、軽くなるとドスンと土を砕きます。
小鹿田に行った日、九州は大雨で小川は濁流に。
水流が激しく、唐臼も頻繁に上下します。
雨のため、山から流れ出た土で濁った川は、陶土と同じ黄土色でした。
裏山で採れた土を水力で挽き、同じ土のレンガで登窯を築き、森で切り出した薪で器を焼く。
シンプルなサイクルがくり返されています。
川も森も器も土から生まれ、小さな村に暮らす人々の糧となってきました。
豊かな土が支えてきた変わらない器づくりに想いをはせながら、村中に響く杵の音に耳を傾けました。
「日本の10窯」3月1日(木)まで展示しております。