#021 通いどっくり
信楽のとある骨董屋の壁に、大胆に文字が書かれた大振りのとっくりが並んでいました。
酒や調味料がはかり売りだった江戸時代、酒屋や醤油屋が客にとっくりを貸し出して、ほしい量を店で詰めて販売していたそうです。
無くなればまたとっくりを持ってお店にいけばいいわけです。
店の名前や銘柄を大きく表記することで、自然と広告にもなりました。
ガラスやプラスチックがなかった時代、液体の運搬や保存に最も適していた陶磁器は、生活に欠かせない道具として今よりもっと身近な素材だったのかもしれません。
昔の人々の生活の一端をうかがえたような、新鮮な発見でした。