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#067 生活を織る
ブローネさんは美術大学の織物の先生を引退後、この工房で伝統的な織物をつくり続けています。 工房は旧市街地の中心の路地にあり、お茶の時間は決まって向かいのカフェへ出掛けます。夕方に仕事を終えると、毎日欠かすことなく教会に行くそうです。手織物のように丁寧なくらしです。
ブローネさんよりもずっと年上の機織り機も、ガシャン、ガッシャンと音を立てながら一段一段、布を織り出していきます。たくさんの穴がある短冊状のカードは紋紙といって、機の上部に取り付けられ、柄を織り出す指示を出します。この紋紙もすべてブローネさんの手によるもの。リネンとウールのテーブルランナーに織り込まれているのはユリとチューリップの紋様です。複数の紋紙を組み合わせて柄を構成していきます。ユリとチューリップは、リトアニアの伝統的な衣装の帯の柄によく用いられるモチーフで、肥沃を表しています。
リトアニアの女性にとって織物は生活の中で大切な仕事でした。半世紀前まで、リトアニアの農村の家庭では、女性は皆、織物をつくっていたそうです。タオルにシーツ、伝統の衣装も何でも自分たちで織っていました。毎日の生活で使うものはシンプルな幾何学紋様が多く、太陽などの自然物を象徴しているそうです。くらしと布と自然。常に共にあったことを思い起こさせてくれます。
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Found MUJI 青山で販売中の手織物
手前:ウール手織マット/赤 5,800円(税込)約27cm×52cm
奥 :ウール手織マット/緑 5,800円(税込)約27cm×52cm