#095 日本の布をめぐる旅 5
シルクスクリーンプリント
かつて、日本のシルクロードと呼ばれた道は、東京八王子市を起点とし横浜港へと続いていました。絹の集まる場所であった八王子には、今も数多くの織りや染めの工場があります。その中のひとつ、シルクスクリーンプリントは、薄いメッシュを張った版を使い、一版ずつ柄を合わせ人の手でプリントしていきます。片側25mもある長いプリント台に一気に生地を広げ、貼付けていきます。実際に版を置いて刷る位置を一版分ずつ確認し、固定していくこと50回。そしていよいよプリントが始まります。全て人の手作業によって行われるプリントも、あっという間に25mを折り返し、50mが刷り上がります。シルクスクリーンの魅力は色を重ね合わせることで生まれる新しい色。布に奥行きを与えてくれます。工場に保管されている版の中から選んだ柄は、幾何学模様に少しだけ角度をつけた不思議なリズム感のある柄です。生地全体に繰り返す柄は見ているだけでも楽しくなります。