#097 日本の布をめぐる旅 6
ニードルパンチ
山梨県富士吉田市は、富士山の麓にあります。道路を走っていると、大きな富士山が真正面に現れます。豊かな自然に囲まれた水のきれいな地域では布づくりも盛んに行われてきました。通常、織り上がった生地は、洗いや起毛といった様々な後加工を経て、布として出荷されます。その加工の1つであるニードルパンチングは、不織布などの工業資材やファッション関係に使われてきました。何千本ものかぎ針が生地を突き刺し、新たな表情をつくり出します。日本のデニム産地、岡山県で織られたデニム生地の裏側を走る白い糸が表側にプツプツと短いパイルのように現れ、淡いボーダー柄が生まれました。