#112 上製本ノート

日本の洋製本の歴史は明治時代からはじまり、その技術は職人から職人へと受け継がれています。

長野県伊那市。
静けさのなかに製本職人が営む工場がありました。
近年は大型設備や機械による自動製本での量産を可能とした工場が増えていますが、訪れた工場では手仕事による本づくりの良さを伝えたいという想いから、製本職人が上製本さながらのノートをつくっています。機械を使うほうが効率的な工程と、手仕事でしかできない繊細な工程とを割振り、紙をたち、糊を使い分け、製本づくりと同じ手順で綴じていきます。丸背のノートは書き味の良い紙を使い、背を丸めることで開きがよくしっくり手になじみます。小口に色をつけることで埃などから汚れるのを防ぎ、永く大切に使われるよう丁寧につくられています。角背のノートの顔つきは、かっちりしていますが、やわらかな表紙を使い軽快な仕上がりです。

普段の生活で、考えを書き留めるために使ったり、外に持ち歩くメモ帳として心地よくお使いいただけます。