#115 旬の恵み、産地の恵み
梅の産地紀州に青いダイヤモンドと言われる希少品種"古城梅"がありました。
その古城梅の原木の園地を訪れることができました。園地はホタルが生息し群生を観ることができる清流が流れるほとりにありました。原木の樹齢は90年を越えていましたが、梅の実が青々と、たわわに実っていました。
古城梅の生みの親、那須政右ェ門さん。地元の農業経済を立直すため、梅の品種改良の研究に情熱を注がれていたなか、大正時代後期にこの種のつぎ木に成功されました。
梅の実が、ほかの品種に比べ肉付き、品質など比べ物にならぬ優良品であることがわかり、那須政右ェ門さん宅の屋号をとって「古城梅」と名づけられました。
古城梅の実は、青く艶やかな外観、種が小さい、肉厚、病害虫に強いと絶賛されてきています。液体に漬け込んでも実が崩れることがなく非常にきれいで、味わいもすっきりとさわやかな梅酒や梅ジュースができます。
しかしながら、現在古城梅の生産量は、品質、用途にオールマイティーな品種"南高梅"の全国的な広がりの中で、だんだん縮小され、今では南高梅の生産量の3%にも満たないと言わるほどになっています。
原木の園地を引き継ぐ那須さん親子は「お祖父さんから、古城梅の良さを広めることを授かってきたから」と屈託の無い笑みでお話をしてくれました。梅の木が、代々家族を紡ぐ存在となっています。
Found MUJIでは、この希少品種"古城梅"の恵みが、続くように産地との取り組みを継続していきます。
前回訪れた時の記事もぜひお読みください。
#110 紀州梅の産地を訪ねました