#124 瀬戸内海、ちりめん
瀬戸内海、ちりめんの漁を訪ねました。
広島県呉市、音戸。音戸ちりめんの漁は毎年6月上旬に解禁されます。
多くの島が点在し、自然豊かな瀬戸内のちりめん漁をする海は、波が比較的穏やかで、それは船体の形にも表れていました。
ちりめん(イワシ類の仔稚魚)の漁の歴史は100年にもなるとのこと。さらに音戸のちりめんの特質すべき点は、漁獲されたものを1時間もかからないうちに、釜茹でして水分量25%ほどの煮干しにすることです。そうして出来上がるちりめんは、海水の塩気と魚の甘さのバランスが絶妙で白いご飯によく合い、海の恵みがつまった味わいが特徴です。
ちりめんといわれる、イワシ類は食物連鎖の中でプランクトンに次ぎ、食物連鎖の上で非常に重要な魚といわれています。
「大小多くの島が点在する瀬戸内海は、その島の土や緑がこの海の恵みとなり良質な漁場となっている。しかし、ちりめんの漁獲量は年々減少傾向になってきている。」「魚に対してだけでなく、漁の網や漁の妨げとなるものが捨てられたビニール袋やプラスチック製のボトルといったもの。」「現代の日本の家庭の食卓において、魚を食べること自体が減少傾向にあるのが心配。」と、ちりめん漁に関わる方々のお話を聞きました。
今回ご紹介しましたちりめん漁からできる商品が"焼きちりめん"です。魚を手軽に味わえます。水揚げから何度も手作業で仕分けされ、形や大きさは無選別のちりめんの煮干しを遠赤外線で焼き上げます。魚本来の味わいを残しつつ、カリッと食べ易い食感に仕上がっています。そのまま食べることに加えて、サラダやトマトのオイル漬けなどと和えて前菜のようにも、またお味噌汁などの出汁の素にもおすすめです。販売はFound MUJI取扱店で今秋を予定しています。