#234 Found MUJI はじまりの話
2016年11月5日、深澤直人さんによるトークイベント「Found MUJI、地上の無印良品を探す旅」を開催しました。
秋晴れの爽やかな朝、8時30分という早い時間にも関わらず大勢のお客さまにお集りいただきお話が始まりました。
世界的プロダクトデザイナーとして活躍する一方、日本民藝館の館長でもあり、無印良品のアドバイザリーボードとして日頃から商品づくりに携わる深澤さん。時代を越え、地域を越えた広い視野で世界中のものと人の営みを見つめています。
お話は「Found MUJI」の活動が始まったきっかけから。中国北京の骨董市を訪れた深澤さん。宋時代(1200年ごろ)の青磁だと言って売られていた器は、明らかに偽物だとわかる価格だったそう。しかしたとえ偽物でも、骨董品の器と変わらぬ魅力をたたえていました。製造元をつきとめると、現代の景徳鎮(中国の磁器の産地)で、当時と変わらぬ土、製法でつくられていました。宋の時代には高貴な身分の人々しか使えなかった器を、同じ姿でしかも安価に我々の生活に採り入れることができるという驚きが、世界中に存在する宝物を探す旅のヒントになりました
これまでも捨てられる端材や覆い隠される素材に光を当て、新しい魅力を持つ製品を生み出してきた無印良品の視点で、地域では当たり前に使われ、つくられてきたものを新たに「見立てる」活動を「Found MUJI」と名付けました。
それから数年、世界を旅して魅力あるものとの出会いを重ねています。
旅はこれからも続きます。
聞き手をつとめた(株)良品計画の矢野からの「次はどこに行きましょう?」という質問。いつか旅をしてみなさまにご覧頂ける日まで、深澤さんのお答えは秘密にしておきます。
中国の骨董市
トークイベントの様子