#249 手織りのラグ

インドの手織りラグは、地面に穴を掘り織機を設置します。日本でいう掘りごたつというとイメージができるでしょうか。手織りならではの独特な織機です。そこに人の手で巻き取った経糸(たていと)をかけ、幅のある織物は、二人で呼吸をあわせて織りあげます。緯糸(よこいと)をバトンタッチし筬(おさ)を手前に引き寄せるタイミングは合図しなくとも自然と合致しています。大きなサイズ、そして力のいる仕事なので手織りのラグの生産は男性が担当しています。

女性は、緯糸の糸巻きを担当します。インドではどこの産地でも手動の糸巻きには 自転車の車輪を利用しています。まるで元々そのための道具であったかのような存在感です。道具も自分の手でつくってしまう。身近にある素材やパーツをアレンジする力を感じます。