#267 水の平焼 熊本県天草市
熊本空港から、小さな島々が浮かぶ風景を眺めながら車で2時間。本渡港のほど近くに水の平焼の窯元はあります。
海鼠釉と呼ばれる深い碧と茶色と灰色が混ざりあった独特な表情は、鉄釉と藁灰釉の2色の釉薬をかけてでき る水の平焼の代表的な色。天草といえば磁器の原料となる陶石が有名ですが、水の平焼では陶石だけでなく昔から近くで豊富に採れる赤土を使い続けています。約250年前から続く窯は、その時代ごとに必要な生活の道具や器をつくり続けてきました。この地域には卸問屋の制度がなく、窯元が直接手売りをしてきたことで使い手の声を直接 聞きながら器づくりに活かすことができました。
「使い方が限定されない器を作りたい」と窯主の岡部さん。自由な発想で生活に馴染む器づくりを心がけているそうです。