#350 汽車土瓶
明治時代に始まった駅弁の販売とともに、お茶を提供するために生まれた「汽車土瓶」。陶器で作られていますが、 使い捨て容器として使われていた為、非常に簡易な作りです。持ち手が針金で、コップになる蓋も密閉ではありま せん。 プラスチック容器が登場した昭和30年代頃まで信楽や益子など全国の陶器の産地で作られていました。 陶器製で使い捨てとは、今聞くと贅沢に感じますが海外では現在でも使い捨ての陶器やガラスの器を使用している地域はあります。陶器は使い終わると砕いて埋めたり、ガラスは再生できます。洗わずに捨てることで水の節約になるという考えも地域によってはあるそうです。 「使い捨てる」容器を再び陶器製にしてみたら、使い捨てることの意味が別の視点では環境に優しい、という見え 方になるのかもしれません。