#351 漉し袋(だしこし袋)
まだ調理家電がなかった時代、出汁を濾したり果物を絞ったり、様々な調理で布は活躍していました。 1960年代頃の生活雑誌を見ると、「濾し袋を数種類常備しておくと、出汁をとるにも、オレンジを絞るのも、コーヒーを淹れるのも便利です。」と紹介されています。現在の生活では出汁はパック、果物はジューサー、コーヒーはコーヒーメーカーと便利な道具があります。海外の食文化や調理家電の進化によって日本の家庭料理の幅も広がり、調理器具も多岐に渡るようになりましたが、漉し袋が布目の粗さ別に数枚あれば基本的なことができ、省スペースにつながります。一手間かけ、少し不便なことが当たり前だった台所仕事は、時代を一巡して今の生活にも適しているのではないでしょうか。