#053 中津箒
Found MUJI青山にて開催中の「2DAY SHOWS」。第4弾の6月30日(土)と7月1日(日)は、中津箒の職人、吉田慎司さん(まちづくり山上)。
明治時代より伝わる「中津箒」を作る吉田さん。伝統的な箒作りを通して、素材のあたたかみや、暮らしのありかたを伝えていらっしゃいます。
原料であるホウキモロコシは、神奈川県愛川町中津で自社で無農薬栽培されているもの。原料から手作りで行うことで、耐久性はもちろん、柔らかくコシがある箒に仕上がるそうです。箒を編み上げる糸も全て天然素材の染料で、吉田さんの手で染められています。水色は藍、ピンクは茜、黄色はウコンなどを使用しており、優しい色合いに仕上がるのが特徴です。
今回の「2DAY SHOWS」では、山ぶどうの木の柄を用いた大きめな箒から、パソコン周りに使える豆箒、ストラップになる小さな魔除け箒まで、さまざまなタイプの商品をご用意しました。
ショーウィンドウは、吉田さんの仕事現場を再現するように普段使われている道具やホウキモロコシの束などを展示しました。土日の2日間限定で、吉田さんに箒作りの実演を行っていただきました。
また今回は、豆箒を作るワークショップも実施しました。まず、参加者の皆さんにお好きな色の糸を選んでいただき、吉田さんに穂先と柄の部分、そして糸の巻きはじめまでを準備していただきます。その後、イスに座った状態で足にふきんをかけ、その上から糸を巻きつけ、引っ張りながら編んでいきます。仕上げに余分な部分をカット、そして引っ掛け用のループをつけてもらい、愛らしい豆箒の完成です。
箒の穂先は柔らかく、立てて置くとクセがついたり痛んでしまうため、小さい箒でもループをつけ、引っ掛けて保管できるようにしているそうです。長く使うためのちょっとした、とても大事な工夫を教わりました。
吉田さんのショーウィンドウと1階の売り場は、7月6日(金)まで。すべて手作業のため、数に限りがあります。一部商品は既に完売しておりますので、どうぞお早めに。 7月7日(土)からは、第5弾のファッションデザイナーのTOMOさんの展示•販売がスタートします。是非ご来店ください。
吉田慎司(まちづくり山上/箒職人)
1984年生まれ。武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業後、神奈川県中津に伝わる「中津箒」を「まちづくり山上」で製作。平成23年度日本民藝館展に入選。株式会社 まちづくり山上「市民蔵常右衛門」http://shimingura-tsuneemon.biz/
7月7日(土)・8日(日)の予定
TOMO(ファッションデザイナー)
タイ在住のデザイナー、TOMOが手がける「Tomo Natural Fabrics」は、タイの東北地方イサンの地で、手紡ぎのコットンや麻の糸を用いて作られています。また村にある草木で染めた生地を織り、立体裁断にてパターンメイキングし、一着一着を接着芯やロックミシンを使わず丁寧に縫製しています。今回はチュニックや半袖シャツなど、サラリとした着心地が特徴となる、綿や麻の素材を生かしたウエアを展開します。