#069 クラフトマーケット
リトアニアでは、週末や祝日、お祭りの時など、クラフトマーケットが軒を連ねます。木製のカトラリー、カゴ、ウールのソックスにミトンに加え、黒パンや蜂蜜など、あらゆるものが並びます。街の中心の目抜き通りに素朴なクラフトの品々が並ぶ光景は、いかにも和やかです。
特に盛大なのは、3月のはじめのカジューカス祭。首都ヴィリニュスの守護神カジミエラスを記念して、17世紀から行われている伝統的なお祭りです。冬の農閑期の間につくり置いた自慢の手仕事を掲げて、各地からクラフトマンが集まります。観光客で賑わうのはもちろんのこと、地元の人々も日常に必要なカゴやターナーなどを熱心に選んでいます。
リトアニアでクラフトを手に入れるなら、春のはじめから夏が品揃え豊富です。秋口の店先は、どことなく品薄。ストックなどないかと店主に訪ねると「ポテトの収穫で忙しいんだ。とにかく今はポテトなんだよ、ポテト!」と慌てた様子です。こちらの店主は、農作業の合間に木製品をつくっていたわけです。収穫の秋は、ポテト優先にもうなずけます。自然のサイクルで営まれている、くらしのリズムをあらためて感じました。
リトアニアのクラフトマーケットで見つけた品々が、Found MUJI青山に届きました。手間のかかった繊細な編み模様のカゴや木肌の色が新鮮なシンプルなカゴなど、くらしのシーンに合わせて取り入れてみてはいかがでしょうか。木製品は、特大の洗濯ばさみが。リトアニアの国の木であるオーク製です。使い方は工夫次第。見慣れた日用品がオーバーサイズになるというシンプルなアイデアが、くらしに適度なおかしみを加えてくれます。