#289 ループ織
愛知県一宮市を中心とした尾州地区には、豊かな水源の木曽川や肥沃で温暖な気候の濃尾平野などの、農業や繊維産業の発展に十分な土壌が広がっていました。
明治時代になると糸や繊維の染色加工や仕上げに適した川の水質により、ウールの織物の生産が盛んになります。
糸づくりから織物の仕上げに至るまで、ウールの全てを熟知する日本最大の毛織物産地です。
ループ織は、ループヤーンと呼ばれる輪がリズミカルに絡みついた糸が織り込まれています。
そのあたたかみのあるくるくるとした表情の生地には、産地の技法が詰まっています。