#304 エスパルト
エスパルトは、スペイン南部の郷土文化に深く根付いています。それは、エスパルトで作られた専用の道具に名前が付いていることにも表れています。たとえば、カタツムリを集めるためのかごは、単に「かご」ではなく「caracolera」(カタツムリかご)と呼ばれます。
この地方では、新石器時代の墓地跡でチュニックやサンダル、ロープなどの工芸品が見つかっています。また、羊飼いや牛飼いが放牧中にかご編みをすることも知られています。こうした技は、今も老人から若者へと伝えられています。
Caracolera - カタツムリかご
カタツムリを集めるための伸縮性のあるかご。魚や貝の漁に使われることも。
Pleita quesera - チーズ型
エスパルトのかごで熟成させるマンチェゴチーズは、かごの独特の模様が特徴です。
Cuchara de pastor - 羊飼いのスプーン
カード(凝乳)を食べるときに使うスプーン。羊飼いや牛飼いが放牧中に作ります。
Serón - ロバの背に載せる荷かご
荷物、作物、飼い葉などを運びます。