#302 ウィローのかご
かごの素材としてよく使われる木材に灌木の一種であるウィローがあります。リトアニアでは、目の細かいかごに適した細くしなやかな枝を持つ「セイヨウコリヤナギ(学名Salix Purpurea)」がよく用いられます。この品種は丈夫で栽培しやすく、一年で約1.5~3メートルの高さに生長します。枝分かれが少なくまっすぐに育つため、均一な太さで曲げやすく、かご作りには最適です。
ウィローは、専用の林地で栽培され、早春または晩秋に、枝を必要な長さに切って使います。切ったところから新しい枝が何度か生えてくるので、新しい苗を毎年植える必要はありません。収穫したウィローの枝は葉と小枝を取り除き、必要があれば表皮をはいで滑らかな木肌を露出させます。処理した枝は長さを揃えて束ね、自然乾燥させます。
日常使いのかごは、型崩れを防ぐため細い枝で細かく編みます。耐久性を高めたり水回りで使う場合は、表皮を残すこともあります。長期栽培により太くなった枝は、割って編む場合もありますが、曲げて持ち手にすることもあります。ウィローは、小さなかごから家具、店舗のディスプレイまで自由にデザインできる、汎用性の高い素材です。