コラム
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#334 紙紐/紙バンド(静岡県・富士市)
紙紐は紙テープを撚り合せることでつくられます。幅の狭い紙テープを撚れば細い紐に、幅の広い紙テープを撚れば太い紐になり、袋の取っ手や梱包用ロープなどあらゆる用途に対応できます。紙バンドは1950年代の日本で誕生した梱包用資材です。戦後間...
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#333 紙布(岐阜県・美濃市)
紙布紙糸で織られた紙布は清涼感と軽さが特徴です。毛羽立ちにくい紙糸の特性により、肌に触れた時に麻のような涼しさが感じられます。また紙糸の重量は綿糸の1/3しかありません。縦糸に綿糸、横糸に紙糸を用いた紙布のため、夏のアイテムとして取り...
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#332 もみ紙 (京都府・綾部市)
もみ紙楮を原料とした強靭な紙に、コンニャク糊を均等に揉み込むことで、加工がしやすい素材へと変化します。もみ紙はそのものを布のように縫製することができ、紙衣の材料として使われていた時代もありました。約10分間、方向を何度も変えて均等に手...
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#331 水もみ紙/落水紙・水切り紙(福井県・越前市)
水もみ紙水もみ紙は襖紙の一種で、その模様に特徴があります。襖用の紙に膠を塗り、染料の中で揉むことで、紙のシワに深く色が染み込み模様として表れます。模様を均一につける事や、途中で破れないようにする事がとても難しく、作ることができる職人は...
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#330 透かし紙(福井県・越前市)
1500年前から紙漉きを行なっている越前。紙幣や商品券に使われている透かしの技法は、越前で生まれました。光にかざすと模様が透けて見える透かし紙は、無地の紙と模様入りの紙を漉き合わせることでできます。罫線に透かしの技法を使った便箋には、...
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#329 紙のもの
日本人の生活は、紙と共にありました。たとえば日本家屋の空間を仕切るふすまや、自然光を取り入れる障子。絵や文字を書いたり、物を包んだりするだけではなく、様々な場面で紙は使われてきました。さらに時代や暮らしに合わせて、色々な紙が生み出され...
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#328 西双版納の村
熱い気候の西双版納は、ミャンマー、タイ、ラオスと国境を接する中国雲南省の南部にあります。ここは、竹をはじめ、種類豊富な植物が息づく場所です。訪れた村も緑が濃く生い茂る場所でした。住居は高床式のものが多く見られ、床下の一階部分は通気を確...
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#327 竹製品の職人
自宅の一部が仕事場となることも多く、竹製品の職人たちは家族親戚など少人数で集まり、作業をします。我々は、安徽省芜湖市(あんきしょうぶこし)の職人たちを訪ねました。そこで出会った地元の熟練した職人達は、皆六十歳を過ぎても現役です。そうし...
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#326 竹の活用
竹のさまざまな部位は、様々な環境で活用されています。先人の知恵にもとづく慣習や、入手しやすいことなどから、今も便利で万能な素材であり続ける竹。昔は紙のかわりに文字を書きつけたり、燃料として使用されたりなど、世界中の多くの文化において数...
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#325 食卓の上の竹
タケノコはアジア各地の市場で一般的な食材として並んでいます。竹の棹は調理器具として、素朴な煮込みや米を炊くのに使われます。具材を入れた竹を熱した炭の上に直に置くことで、竹の香りがゆっくりと食材にしみ込んでいきます。また、さまざまな太さ...
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#324 竹のある暮らし
竹は通常、温暖で湿潤な気候で自生しています。世界全体で約1,250種あり、そのうち約600種は中国で発見され ています。その多くは雲南省山岳地帯の固有種であることがわかっています。 この地に暮らす少数民族の多くは、身近にあるさまざまな...
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#323 竹の加工
長い稈は、強度と柔軟性を保ちながら簡単に加工することができます。たとえば、細い糸状に裂いて繊細な籠を編んだり、曲げて組んだりしても、折れることはほとんどありません。総じて頑丈であるため、耐久性が求められる日用品に適しています。一方、竹...
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#322 竹の部位
竹はイネ科に属しており、さまざまな気候帯に広く分布しています。たった数ヶ月のうちに、新芽はタケノコになり、硬さを増しながら親竹に成長します。親竹の直径はタケノコと同じです。 竹は、そのほとんどの部分が活用できます。竹の長く真っすぐな部...
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#321 竹
竹は最も成長の速い植物のひとつです。自然素材であり、非常に強度が高いにもかかわらず手でも 簡単に加工できるため、建材から繊細な工芸品まで、さまざまな用途に使われています。竹は世界 各地に固有種として自生しており、入手か...
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#320 砥部焼(愛媛県・砥部町)
砥部焼の唐草模様は、昭和20~30年代に民藝運動の提唱者達によって生まれました。それまでの砥部焼は繊細な絵付けの器もつくられていましたが、一筆書きのおおらかな模様は丈夫で厚みのある砥部焼の象徴的な模様として広まりました。また、玉縁鉢も...
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#319 萬古焼(三重県・菰野町)
鈴鹿山脈を背景に一面田んぼが広がる菰野町。県の北部を中心につくられている萬古焼の産地のひとつです。耐熱の鍋や器で有名な萬古焼は、国内の土鍋シェアの約80%を担っています。約300年前からこの土地でつくられている萬古焼ですが、当初から耐...